パリのど真ん中に、新潟県の物産を扱うブティック「Kinasé」オープン
フランス・パリ市中心部、セーヌ左岸の6区、百貨店や高級ブティックの並ぶサン・ジェルマン大通りのあるエレガントなエリアに、7月10日、新潟県の清酒、米などの食品、洋食器、工芸品などを展示・販売するブティックKinasé (読み:キナセ)がオープンしました。これまで、新潟県の物産見本市は過去にもフランスで開催されたことがありましたが、Kinaséのように常設の店舗はフランスでは初となるとされます。同日は、オープンセレモニーもおこなわれました。
大通りから一つ入った落ち着いた通り、店のファサードには、新潟と佐渡をイメージしたKinaséのロゴ、その下には麻ののれんがかけられ、シンプルななかにも日本情緒を感じさせます。店内の造作はすべて木。内装は信濃川をはじめ新潟の清らかな水の流れをイメージした美しい曲線でまとめられ、天井には竹の装飾が施されています。木の香りが漂う明るい室内、棚には県内の酒蔵の自慢の銘酒が並びます。
Kinaséでは、公益財団法人にいがた産業創造機構の協賛により、県内企業から現在130を超える商品が展示・販売されています。
Kinaséのコンセプトは「パリの人でも、日本の人でも、誰でも、いらっしゃい」
「キナセ」は新潟弁で「いらっしゃい」という意味。商品の陳列、販売にとどまらず、その商品が生み出された背景や新潟の歴史などを伝えることで「うんちく好き」とされるフランス人に新潟をアピール。東京や京都・大坂だけが日本ではないこと、新潟、越後・佐渡の情緒を知ってもらうことを大事な目的としています。
グラムスリーは、地域振興のため海外進出の道を求めていた、新潟県の経済界や公共団体の意向を受け、およそ1年をかけ、現地リサーチなどの準備を進め、今回のKinaséオープンにこぎつけ、さらに店舗運営をも担当することになりました。ヨーロッパでは、いま日本酒がブームになっています。新潟を売りこむためには清酒が切り札となると考え、立地としては食とワインの都パリが最適と判断しました。
開店当日のオープニングイベントでは、木寺昌人・駐フランス特命全権大使、シャンタル・ランベール・ビュロン・パリ6区区長、武本清・にいがた産業創造機構副理事長、坂本明・グラムスリー代表取締役によりテープカットがおこなわれました。テープカットに続いて坂本明よりご挨拶を申し上げ、祝辞をいただきました。
Kinaséにはメディアの関心も高く、フランスおよび日本のメディアの取材があり、また、日本酒好きのグルメ評論家などのSNSでも、Kinaséオープンや新潟の清酒の味わいなどについてのコメントがさまざま流されました。
店内、そして、店頭でも道行く人々に新潟の銘酒が振るまわれましたが、「C'est bon! Délicat!」など、洗練された味が好評でした。お酒だけではなく、洋食器や工芸品、米加工品なども、定番の日本のイメージとは違った味わいを感じさせ、訪れた人の興味を引いたようです。
※ 左から武本清・新潟産業創造機構副理事長、木寺昌人・駐フランス特命全権大使、シャンタル・ランベール・ビュロン・パリ6区区長、坂本明・グラムスリー代表取締役